ビデオリサーチ公式テックブログ

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忘れがちなKubernetesのヘルスチェック(Probe)について復習してみた

こんにちは。株式会社ビデオリサーチのキクチです。
私事ですが、先日、Google Cloud Professional Cloud Developerの資格試験を受験しました。
試験には合格したものの、問題の中でKubernetes(以下、k8s)のPodのヘルスチェックについて問われ、これまで曖昧に理解していたことに気付きましたので、復習がてら記事にしてみました。

ヘルスチェックの種類

k8sでは、kubelet により実行される3種類のヘルスチェックが用意されています。

Liveness Probe

  • 概要
    • 名前通り、コンテナが正常に動作しているか(=Liveness)を確認します。
    • Probeの失敗時、kubeletはコンテナを再起動します。
  • 主な使用場面
    • アプリケーションが不具合やデッドロックなど、応答不能に陥る可能性のあるコンテナに設定します。
    • コンテナが問題に陥った際に自動でクラッシュできる場合は、設定の必要はありません。
      (※kubelet が自動でspec.restartPolicyに基づいたアクションを行うため)

Readiness Probe

  • 概要
    • コンテナがトラフィックを受け入れられる準備が完了しているか(=Readiness)を確認します。
    • Probeの失敗時、kubeletはServiceのEndPointからPodのIPアドレスを削除し、ロードバランシングから切り離します。
  • 主な使用場面
    • アプリケーションが外部サービスやリソースに依存している場合など、probeが成功するまでリクエストを受け付けたくないコンテナに設定します。

Startup Probe

  • 概要
    • コンテナ内のアプリケーションの初期処理が完了しているか(=Startup)を確認します。
    • コンテナ起動後、他のProbesよりも先に評価されます。
    • Probeの失敗時、kubeletはPodを再起動します。(次のProbeは開始されない)
  • 主な使用場面
    • アプリケーション起動時にマイグレーションや暖気処理等、長めの初期化処理を必要とする場合など、起動に時間のかかるコンテナに設定します。

Probeの処理フロー

単語だけでは理解しづらいため、各Probeがどのようなフローになるかをまとめました。

probe_processing_flow

ヘルスチェックのハンドラ

Probeはヘルスチェックによる診断を行うためにハンドラを呼び出します。ハンドラは以下の3種類で実装できます。

ExecAction

  • 概要
    • コンテナ内で指定したコマンドを実行します。
    • コマンドがステータス0で終了した場合はヘルスチェック成功とみなされます。

HTTPGetAction

  • 概要
    • コンテナのIPの特定のポートとパスに対して、HTTP GETリクエストを送信します。
    • レスポンスのステータスが200以上400未満の場合、ヘルスチェックは成功とみなされます。

TCPSocketAction

  • 概要
    • コンテナのIPの特定のポートにTCP Socketのコネクションを確立します。
    • コネクションが確立できれば、ヘルスチェックは成功とみなされます。

まとめ

今回はinitialDelaySecondsなどの詳細な設定項目の説明は省略しましたが、以下のリンクで詳しく解説されています。

それぞれの特性とこれらの設定項目を理解し、適切なProbeを実装することで、細やかなヘルスチェックを実現し、システム全体の安定性と可用性を確保することができそうです。

参考

 
 
 


 
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